私たちは、地球環境や生態系について意識することなく日常生活を送っていますが、社会を持続可能なものにするためにも、人間以外の命への共感性を高めていくことがこれからますます大事な課題になってくるのではないでしょうか。
犬や猫と暮らす人たちから聞く言葉です。「心が安らぐ」「家族のコミュニケーションに欠かせない」「生活にうるおいを感じる」「子どもの情操教育に良い」「規則正しい生活が送れて健康にも役立つ」「動物を介して人とつながることができる」。犬や猫がかけがえのない「家族の一員」「社会の一員」となっていることは間違いありません。
しかし、現代社会で人が犬・猫と付き合っていく時、問題が発生することもあります。飼い主の高齢・認知症・病気・死亡などでペットが行き場を失ってしまった時。多頭の動物を抱えて適正な世話ができなくなる多頭飼育崩壊。災害時のペット。そして、飼い主のいない猫…行政だけでは解決の難しい問題が顕在化してきました。
人とペットの問題については、人と犬・猫を包括的に支援する必要があります。一般社団法人東京都人と動物のきずな福祉協会は、市民と市民、市民と行政、行政と専門家、企業と市民などを結び、それぞれが協働する取組を中間支援する非営利団体です。人にも動物にも幸せな社会をつくるため、全身全霊で取組を進めています。
東京都千代田区生まれ。英国ハル大学留学を経て、出版社勤務。退職後、企画プロデュース会社経営。月刊誌、週刊誌等の編集・執筆に携る。主著『ペットロス』『猫への詫び状』(共に新潮社)など。ほかにNPO法人ちよだニャンとなる会・業務執行理事。